部門紹介
放射線部
現在日本には約1300万人の骨粗しょう症患者が存在すると推測され、骨粗しょう症による骨折患者は増加傾向にあると考えられています。
女性に多く見られ、閉経を迎える50歳前後から急増し、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が骨粗しょう症という報告もあります。
骨折して寝たきりになったり、寝たきりから認知症にならないために骨の折れやすさを検査してみませんか。
骨の折れやすさは骨密度で表されます。骨密度の測定には、腰椎と大腿(だいたい)骨で測る方法が推奨されており、以下の方は骨密度測定を行うことをお勧めします。
- 「閉経後の女性の方」
- 「関節リウマチや糖尿病、慢性腎臓病のある方」
- 「長期間ステロイド薬を内服されている方」
- 「低体重の方」「喫煙や過度の飲酒をされている方」
- 「家族に大腿骨近位部骨折の既往がある方」。
当院では、このたび最新のDEXA(デキサ)法による骨密度測定装置を設置しました。
この装置は腰痛や骨折の原因となる『骨粗しょう症』の診断を正確かつ安全に行うことができます。
検査には極めて少ないX線を使用しており、検査は仰向けに寝るだけで短時間に測定できます。
■DEXA法
DEXA(デキサ)法とは“Dual Energy X-ray Absorptiometry”の略で、二種類のエネルギーのX線を照射して骨と軟部組織の吸収の差を利用して、骨密度を測定します。検査部位は腰椎、大腿骨を測定します。検査時間は2つ合わせて10分程です。
測定方法
イラストのように検査台に仰向けに寝ていただき、膝を少し曲げて腰椎の測定を行います。
この後、脚を伸ばして大腿骨の測定も行います。
検査を受けるときの服装
撮影部位の着衣は可能な限り脱衣してもらいます。
※金具やボタンの無い肌着、プリント柄などの無いTシャツであればそのままで撮影が可能です。
撮影する範囲にプラスチックや金属類がある場合は取り外していただきます。
• ズボンのチャック、金属のボタンなど
• 湿布、カイロ、お金など
• ブラジャーやスリップなど
■測定結果
◎検査結果で何が分かるの?
検査を受けると、このような検査結果をお渡しします。
内容を詳しく説明していきます。
① 受診者の名前、年齢、生年月日、測定検査日、測定部位、を表しています。
骨密度の検査をすると何が分かるの?
② 横軸を年齢、縦軸を骨密度の値としています。
上下の緑ラインの間が、各年齢における平均骨密度の範囲です。
「+」で表示しているところが、ご自分の骨密度です。 同年齢の方と比較して、ご自分の値が高いのか 低いのかが分かります。
③ 骨密度の検査結果の中でこの値が大事です。
「若い人と比較した値」は20~29歳の健康な女性の骨密度を100%として、現在のご自分の骨密度が何%であるかを比較した数値です。
自分の骨が健康であるかどうかは、外見では判断できません。 定期的に骨密度測定をおこなうことは、骨粗しょう症の予防や早期発見にもつながります。
早めに診断を受け、食事や運動療法に加え、場合によっては骨を強くするお薬や注射による薬物療法を早く開始することで、骨折がおきるリスクを減らすことができます。
ご心配・ご相談のある方はお気軽に主治医に問い合わせください。